管楽器専用のマスクが島村楽器より発売されました。
管楽器関係者では話題になっていて、今後購入する人が増えるのかもしれませんね。
一見、コロナ対策がバッチリで楽器演奏が可能と見えるかもしれませんが、しかし、よくよく考えてみると、この管楽器用マスクって本当に感染症対策に役立つのでしょうか?
管楽器経験者の視点で、今回の管楽器用マスクが感染症対策としては使えない、意味ないのではないかと思う理由を書いてみます。
管楽器用マスクはコロナ対策に本当に使えるのか
管楽器用マスクが発売されましたが、一見すると画像の通りに、ちゃんとマスクをしてコロナ感染症対策はバッチリのように見えます。
元々は、シリカクリンという抗菌立体マスクが発売されていて、管楽器を口に食わるための穴を空けて管楽器専用マスクとしたものですね。
画像では、リコーダーやサックスで実演画像が出まわっていますが、その他の管楽器であるクラリネットやオーボエ、そしてトランペットなどの金管楽器でも問題なく使えるかと思われます。
しかし、ネットでは縦に加える管楽器ではない、横笛形式のフルートは使えないという声があります。
この管楽器用マスク、エアリード楽器(フルートや篠笛みたいなの)には無理そう
— yst ( : D ) (@unisphereyst) August 18, 2020
管楽器用マスク、フルート無理じゃね?
— なめこ (@nachao67) August 17, 2020
確かに、このままではフルートには使えない感じがしますね。
しかし、下記のようなツイートの通りで、
管楽器用マスクの口の部分を切り取ればフルートでも使えるな!
— まいるど⌘自宅謹慎中 (@rcftdbeu) August 18, 2020
要は、自分でマスクを少しだけ切り取ればフルートやピッコロなど横笛系も使えるものと思われますね。
管楽器用マスクは、コロナ対策として意味ないと思う理由
この管楽器用マスク、確かにマスクをした状態で各種管楽器で使えるように見えます。
フルートなど横笛では、ちょっとだけ自分でハサミで切り取る必要はありそうですけど。
しかしながら、このマスクを活用すれば本当にコロナウイルスを拡散することはないんでしょうか??
この点は、かなり疑問があります。
一見ウイルスを含んだ飛沫はマスクによって防いでいる感じに見えますが、飛沫は楽器の中を通過して、楽器の先から拡散されてしまうんではないでしょうか・・・。
管楽器は、どの楽器も口につけて息を吹き込む部分と、息が音となって楽器の先端から広がる作りになっています。
朝顔やベル、って言われる部分になりますが、必ず吹き込む部分よりも、大きく口が広がる構造になっている楽器が多いです。
写真のサックスと全ての金管楽器では確実にそうですよね。
この広がる部分って、音が出ているところに手を当ててみると、かなりの音圧というか風圧を感じます。
ということは、やっぱりここから飛沫がどんどん出ているのではないでしょうか。
管楽器なんて、普通の呼吸よりも、腹式呼吸で体の中心から速いスピード、圧力の高い空気を思いっきり楽器に吹き入れてますからね、、、その飛沫スピードと量が減少するとは思えません。
フルートならば、マスクに切り込み入れれば、確かに使えなくもないけれど、フルートなんて半分以上は息を楽器の吹き込み口から外側に捨てているような楽器です。
つまり、そのまま飛沫を拡散することになるはず・・・。
やっぱり、管楽器を演奏したことのある人からすれば、残念ながら今回の管楽器用マスクはコロナ感染症対策としては不十分だと思わざるを得ません。
強いて言えば、他人が吐き出した飛沫を自分が吸い込みにくいという効果はあるのかもしれませんが。
でも、管楽器って少なくとも数名、吹奏楽などになれば30人とか50人が狭い音楽室で密集して活動をします。
たとえ飛沫を吸い込みにくいとしても、あっという間にクラスター化してしまうのではないのかな、って否定的に考えてしまいます・・・。
マスクをすることに目的がいってしまってるんでしょうかね。
管楽器用マスクはコロナ対策に使えるのか、まとめ
管楽器用マスクが、島村楽器から発売されました。
一見すれば、コロナの感染症対策にバッチリに見えるこの新型マスクですが、管楽器経験者の視点からすれば、どう考えてもマスクすることに目的が行ってしまって、飛沫を拡散させない、って観点では全く意味がないように思えます・・・。
これ使って演奏しとけば、大丈夫って感じで管楽器用マスクが売れまくって、しかしクラスター化しないことを祈ります。